週末息子と見る映画

週末の息子と見た映画の感想を語って(?)ます。

112 忘れてました?映写物語 第4話

 いらっしゃいませ。

本日はお忙しい中【週末息子と見る映画】に遊びに来て下さりありがとうございます。

 

と言う訳で今回は久しぶりに映画業界の裏側で日夜働く映写技師の物語をKONMA08本人の体験談を元に描く不定期連載ドラマ(?)『映写物語』を書きまぁすね。

なので今回はいつもステキな嫁さんや子供達は出てきません。

 

『映写物語』 第4話

 第1話はかの◎宝に入社して映写業務は

『1に掃除! 2に掃除!!』

という話をしてたような気がするんですが…

   こちらが記念すべき第1話↴

konma08.hatenablog.com

第2話は試写会や本興行での上映方法などのお話。

konma08.hatenablog.com

第3話は上映中に起きた恐怖のトラブル??と体重の話?。

konma08.hatenablog.com

今回は少しフィルムのお話などでも。

前回にも触れましたが映写業務を辞めてから10年以上の月日が経っております。思いっきりいい訳ですが記憶が曖昧になっているため文中に出てくる言葉は正確な名称かどうかは自信がありません(ちゃんと調べろよぉ…って?)。

今でこそ映画の上映はほとんどデジタルになっていますが5、6年ほど前まではフィルム上映でしておりました。

そのフィルムにも種類がありまして1980年頃まで主流だったのがアセテートと言うフィルムで私の感触ですと硬い感じで割れやすく、また熱にも弱いため溶けやすいんです。私が勤務しだした頃にはポリエスタと言うフィルムになっており熱にも強く溶けにくい のが特徴です。 

フィルムには表と裏…膜(印刷)面とベース面とがあり膜面側に傷がつくと印刷が剥がれ白い傷が映し出されます。逆にベース面側に傷がつくと印刷ははがれないのですが傷に汚れが貯まって行き黒い雨のような線が映し出されます(昔のTVとかでも黒い線がチラチラ写っているのはベース面の傷で白く剥げたように写っているのは膜面の傷)。

このフィルム1コマには様々な情報があります。(下記の図参照)

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【切り替えパンチ】

右上に見える黒い(白い)丸。

【パフォレーション】

フィルムの両サイドにあいてる穴。1コマ4パフォでこの穴にインタースプロケットというフィルム上映の映写機には欠かせないギアの部分のトゲトゲがはまる。

【区画線】

コマとコマの区切りの線。

これが透明だったり真っ黒なシーンやと映写機にフィルムをセットするのに非常に難儀するのである…。

【各音声】

フィルムには様々な音の情報が印刷されています。

◎SR

 アナログの音源。2本に線が分かれてますが1本だとモノラル音声。

◎SR-D

 一番耳にしてると思われるSRのデジタル版。

◎dts

 別付属のCDとシンクロするための信号。

 この白い点々は画面の内側に近いので良く見るとスクリーンに写っていることがある。

◎SDDS

 SONYが独自で開発した音響システム。両サイドに青い信号が入っている。

※音声についてはまた後日書こうかと思っております。

【銀紙】

パフォレーションのところに銀の紙を貼るんやけどセンサーの前を銀紙が通ることによってレンズが変わったり(映画には色々なサイズがあるのでサイズに合わせてレンズも変わる)音声が変わったり映写機が変わったり終わりの合図になったりとする。

fcinemap.com

こちらに丁寧に詳しくフィルムのことが書いてありました!!

ちゃんと知りたい方はこちらへどうぞ~!!

 

前にも書きましたが1つの作品につきフィルムは5~10巻ぐらいに分かれて届きます。

まずは新品のフィルムといえどフィルムをチェックし油を馴染ませフィルムをつないでいく作業をします。

新品のフィルムで困るのは巻の終わりが黒で終わっていたりすると区画線が分からなくなるとこです。もし万が一間違えて切ってしまうと次の巻からずれた絵が映し出されることになりますからね。

また今までで一番ドキドキしたのは【イルポスティーノ】という映画のフィルム編集でイベントのために編集したんやけども日本に1本しかないフィルムで結構色々な劇場を渡り歩いていたのでボロボロ…パフォレーションの目が飛んで(切れて)たりフィルム自体が繋ぎ目だらけなので繋ぎ直したり…気を使いました…私にしてはめずらしくね…誰がめずらしいねん!!

そういえば上映後の片づけとしてフィルムを外して一番頭まで巻きなおす作業があるんやけども…押したらアカンボタンを押してしまいフィルムの一部をくしゃくしゃにしたことが(これがもし昔のアセテートのフィルムならパキンと割れるんやけどもポリエスタやと切れ(割れ)ずに伸びてしまうんですね…)ありました…これがエンドロールのシーンでフィルムは真っ黒で小さく名前が載ってるだけで区画線を探して傷んだ部分を抜く作業がまぁ大変でありました。

ね?

相変わらず何のこっちゃのアントンマチャチャでしょ??

 

とまぁ今はもう町の小さな劇場とかミニシアターぐらいしかフィルム上映してないかもしれませんが今にして思えばフィルム独特のアナログな味わいある画面やったなぁ…と。

 

ふぅ…久しぶりに脳みそ絞って昔のことを思い出したので知恵熱出ました…。

次回はいつになるか分からへんけども音声とかスクリーンとか思い出したことを色々と書こうかな?…とか思ってます。

 

最後に・・・

ふぁくちゃんことお~ふぁくとりー (id:o-factory)さんが新たなブログを始めました。

私ら世代には懐かしくドンピシゃなゲームの紹介をふぁくちゃんらしく楽しく解説しておりますので是非是非遊びに行って下さいな~!!

retorogametengoku.hatenablog.com

 

本日は最後まで読んで下さりありがとうございました。

またお時間のある時にでも遊びに来て下さいね。

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